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江戸川区公開講座を開催しました

江戸川区公開講座を開催しました

日時:2014年6月28日(土)14:00~17:15
場所:江戸川区総合文化センター 3F研修室

イベントレポート

 

 6/28(土)14時から江戸川区総合文化センターにて、土木学会関東支部主催、江戸川区後援により、区民向けの公開講座『皆さんの「まち」の防災問題を鑑定します!-首都圏の低平地の防災を考える-』を開催しました。防災に関心を抱いている区民の方をはじめとして、日頃から防災活動を推進している町会長さんや区議の皆さんが多数、雨の中、ご参加くださいました。

 会場では、講演に先立ち、「水害の歴史」の映像を放映しました。ご年配の方の中には、当時の様子を熱心に話す姿が見受けられました。受付ホールには、「立体地形図」(江戸川区提供)を展示し、参加者に自宅の標高がわかってもらえる工夫も行いました。

 公開講座の第一部では、江戸川区危機管理室 柿澤 佳昭様より「江戸川区防災の基礎知識」、中央大学理工学部佐藤 尚次教授より「低平地が抱える自然災害リスク」と題したご講演がありました。柿澤様からは、緑と水に囲まれた自然豊かな江戸川区をどのようにして自然災害から守るのかを、現在の区の取り組みを交えながら紹介がありました。佐藤教授からは、平坦な地形が広がる江戸川区において、どのような災害危険性が潜んでいるかを、ハザードマップやご自身で区内を踏査した際に撮影した写真を紹介しながら説明がありました。

 第二部では、土木学会関東支部タスクフォース「首都圏の低平地WG」主査である土屋 信行様の進行のもと、佐藤教授、柿澤様のほか、中央大学 総合政策学部 平野 廣和教授、松島東町会会長 田中 稔家様も加わり、参加者から事前に寄せられた防災に関する質問、相談に対してパネルディスカッション形式で回答しました。寄せられた質問には、津波や高潮、洪水に関連した項目(事前の備え、避難方法など)が多く、区民の関心の高さがうかがえました。平野教授からは、2011年東北地方太平洋沖地震発生時に多摩川を遡上する津波の様子や内閣府が公表した首都圏直下地震における津波想定の紹介があり、江戸川区で注視すべきは津波よりも高潮や洪水との説明がありました。その他、地震時に発生する火災は復電火災が多く、避難時にはブレーカーを落とすことが重要であることや液状化発生のメカニズムなどの話があり、会場では熱心にメモをとる参加者の姿が見られました。 

 田中町会長からは、災害から自らの命や家族、ご近所の方の命を守るためには、みなで助け合うことが大切との話がありました。会場からは、過去の水害発生時に、避難先であった市川の住民の方にお世話になったエピソードを紹介してくださった方もあり、周辺自治体や住民の方との連携も重要であるとのご指摘もありました。

 1950年代以降、首都圏では大規模な水害を経験していないという現状を踏まえ、住民の方に水害の危険性を身近に感じてもらうための方法の一つとして、過去の水害の記録や記憶を語り継いでいくことの必要性をこの公開講座をとおして改めて感じました。土木学会関東支部としても、今後も自治体のご協力を得ながら、このような公開講座の開催に向け尽力する所存です。

 最後に、公開講座の開催にあたり、江戸川区の関係者の皆さまの多大なるご協力に心から感謝いたします。なお、当日の公開講座の様子が、えどがわ区民ニュースとして江戸川区ホームページに掲載されています。ぜひご覧ください。

 次回は、11/8(土)文京区(場所:中央大学後楽園キャンパス)での開催を予定しています。