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社会貢献

全国大会
「100周年記念討論会」

全国大会100周年記念討論会開催状況一覧

平成26年度全国大会

2014年9月11日(木)
関西支部・大阪大学 豊中キャンパス
  • 土木界・土木学会の
    目指す社会と今後の活動

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  • 総合司会:
    日比野直彦 (政策研究大学院大/100周年事業実行委員会副幹事長)
    ■基調報告1「JSCE2015 (土木学会5カ年計画)」
    中村光 (企画委員会幹事長)
    ■基調報告2「社会と土木の100年ビジョン」
    木村亮 (将来ビジョン策定特別委員会幹事長)
    ■パネルディスカッション
    <コーディネータ> 磯部雅彦 (土木学会会長)
    <パネリスト> (50音順)
    青木豊彦 (東大阪市モノづくり親善大使)
    楓千里 (株式会社JTBパブリッシング執行役員)
    廣瀬典昭 (次期会長)
    森昌文 (近畿地整局長、関西支部長)

平成25年度全国大会

013年9月5日(木)
関東支部・日本大学 生産工学部
  • 次の100年に向けて
    土木技術者の果たす
    役割とは

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  • 総合司会:
    日比野直彦 (政策研究大学院大/100周年事業実行委員会副幹事長)
    ■基調報告「土木学会100周年事業について」
    藤野陽三 (東大/100周年事業実行委員会委員長)
    ■支部報告
    福田敦 (日大/関東支部長)
    水野貢 (愛知県/中部支部副幹事長)
    蒲原幹夫 (広島県/中国支部幹事長)
    ■パネルディスカッション
    「次の100年に向けて土木技術者の果たす役割とは」
    <コーディネータ>
    屋井鉄雄 (東工大/将来ビジョン策定特別委員会副委員長)
    <パネリスト> (50音順)
    大木聖子 (康応大准教授)
    柄谷友香 (名城大准教授)
    橋本鋼太郎 (土木学会会長)
    藤井聡 (京大/100周年事業実行委員会委員)
    松本髙広 (松本社寺建設代表取締役)

平成24年度全国大会

2012年9月6日(木)
中部支部・名古屋大学
  • 土木界・土木学会は、
    これまで何をしてきたか、
    これから何をすべきか

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  • 総合司会:
    日比野直彦 (政策研究大学院大/100周年戦略会議副幹事長)
    ■第一部基調報告
    「土木学会・土木技術者のこれまでを振り返る」
    ・基調報告「これまでの土木学会活動のレビュー」
    林良嗣 (名大/企画委員会委員長)
    ・企画委員会報告
    高野昇 (日能総研/企画委員会幹事長)
    宮田喜壽 (防衛大/企画委員会副幹事長)
    ・支部報告
    奥村誠 (東北大/東北支部幹事長)
    建立和由 (立命館大/関西支部幹事長)
    ■第二部パネルディスカッション「土木界・土木学会はこれまで何をしてきたか、これから何をすべきか」
    <コーディネータ>
    小野武彦 (清水建設/土木学会会長)
    <パネリスト> (50音順)
    足立敏之 (中部地整局長/全国大会実行委員長)
    奥野信宏 (中京大教授)
    田中里沙 (宣伝会議取締役編集長)
    藤井聡 (京大/100周年戦略会議委員)
    山崎登 (NHK論説主幹)
    山本卓朗 (土木学会顧問)

平成23年度全国大会

2011年9月7日(水)
四国支部・愛媛大学
  • 市民工学への回帰

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  • ■第一部「100周年事業の理念と内容」
    ・開会挨拶 小野武彦 (清水建設/土木学会次期会長)
    ・土木学会100周年戦略会議からの話題提供
    大西博文 (土木学会専務理事)
    高橋薫 (大成建設/100周年戦略会議幹事)
    松田光弘 (建設技術研究所/100周年戦略会議幹事長)
    高野昇 (日能総研/100周年戦略会議幹事)
    ■第二部「市民工学への回帰〜土木の総合性を考える」
    <司会> 島谷幸宏 (九大/100周年戦略会議委員)
    <パネリスト> (50音順)
    岡村甫 (高知工大/土木学会元会長)
    久保大輔 (NHK松山放送局記者)
    千代田憲子 (愛媛大教授)
    中村良夫 (東工大名誉教授)
    松田和香 (四国地整道路計画課長)

平成22年度全国大会

2010年9月1日(水)
北海道支部・北海道大学
  • 土木学会百周年記念事業
    キックオフ討論会
    「土木」の原点と百周年

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  • ■第一部『土木学会の「百周年」に向けて、何をすべきか?』
    ・開会挨拶 藤野陽三 (東大/百周年記念事業準備委員会委員長)
    ・「百周年記念事業」に向けて〜これまでの議論〜
     藤井聡 (京大/百周年記念事業準備委員会幹事長)
    島谷幸宏 (九大/百周年記念事業準備委員会幹事)
    ・「百周年記念事業」に向けて〜これからの議論〜
     土木学会各支部代表 他
    ■第二部『「土木」の原点を考える』
    <司会> 藤井聡 (京大/百周年記念事業準備委員会幹事長)
    <パネリスト> (50音順)
    栢原英郎 (土木学会元会長)
    新保元康 (札幌市立山の手南小学校長)
    高橋薫 (大成建設)
    丹保憲仁 (土木学会元会長)

土木界・土木学会の目指す社会と今後の活動

2014年9月11日(木)
大阪大学 豊中キャンパス 大阪大学会館
【イベントレポート】
今大会は「土木界・土木学会の目指す社会と今後の活動」をテーマに、土木学会の中枢を担う面々、さらに他分野で活躍する弁士が登壇し、基調報告、パネルディスカッションを行いました。会場の参加者らはさまざまな見地から考察された弁士の言葉に深く頷き、熱心に耳を傾けました。

【第一部 基調報告】

  • 【基調報告1】「JSCE2015(土木学会5カ年計画):ーあらゆる境界をひらき、市民生活の質の向上を目指すー」
    中村 光
    名古屋大学教授、企画委員会幹事長
    まず初めに、企画委員会幹事長である中村光氏が企画委員会で最終審議段階にあるJSCE2015(土木学会5カ年計画)について解説しました。もともとJSCEは1998年、土木学会の改革案としてまとめられたJSCE2000からスタートしており、その後も土木学会全体の向上を目的に5年ごとに発表されています。中村氏はこれまでのJSCE2000、2005、2010の変遷をたどり、JSCE2015の特徴として「顧客」の定義を「土木学会会員」から「市民」へと再定義したことをあげました。副題に掲げた「ー市民生活の質の向上を目指すー」とはこれに由来するところ。土木学会はさらに広い地球規模での視野が必要となり、会員一人ひとりも土木学会と市民とを繋ぐインタープリターとして立場が求められることとなりました。
    その後中村氏は、今後20〜30年の中期重点目標、5年間で取り組むべき重点課題、さらに土木学会の目的達成に向けて取り組むべき「3つの使命と具備すべき9つの機能」を順に説明。その上で再度「ーあらゆる境界をひらき、市民生活の質の向上を目指すー」との副題を提示し「意識をひらく」「学問分野をひらく」「技術者の役割をひらく」など、さまざまな事象における「ひらく」について解説し、今後5年間のさらなる会活動の活性化を呼びかけました。
  • 【基調報告2】「社会と土木の100年ビジョン:ーあらゆる境界をひらき、持続可能な社会の礎を築くー」
    木村 亮
    京都大学教授、土木学会将来ビジョン策定特別委員会幹事長、100周年事業実行委員会国際部会長
    続いて木村亮氏から「社会と土木の100年ビジョン」について報告がなされました。
    木村氏が幹事長を務める土木学会将来ビジョン策定特別委員会では、「社会と土木の100年ビジョン」を審議し、その要旨をまとめて「土木学会100周年宣言」を作成しました。これは「北極星」とも例えられるように、今後100年にわたって土木技術者全員が自信を持って仕事ができるよう常に一定の位置を定めて、土木の超長期的な方向を指し示す存在。特別委員会の他に、若手会員から集約した意見が反映されています。木村氏は、その中から「目標とする社会像の実現化方策の『社会安全』」「次の100年に向けた土木技術者の役割」の二点について詳細を説明しました。
    そして、京都大学大学院教授の藤井聡氏の論文を引用しながら、「築土構木」という四字熟語にも見られるように、土木とはもともと聖人が公に資するために土を盛り材木を組んだことに起源する知徳高き行為であること。そして現在土木界に立ちはだかる問題には、既存の概念に囚われない新たなアプローチが必要であることを指摘し、次の100年に向けて若手土木会員の一層の活躍に想望しました。

【第二部 パネルディスカッション】

テーマ:「土木界・土木学会の目指す社会と今後の活動」

  • コーディネーター:
    磯部 雅彦
    高知工科大学副学長、土木学会会長、土木学会将来ビジョン策定特別委員会委員長
  • パネリスト:
    青木 豊彦
    東大阪市モノづくり親善大使
  • パネリスト:
    楓 千里
    株式会社JTBバブリッシング執行役員
  • パネリスト:
    廣瀬 典昭
    日本工営株式会社代表取締役社長、土木学会次期会長
  • パネリスト:
    森 昌文
    国土交通省近畿地方整備局長、土木学会関西支部長

第二部のパネルディスカッションでは、土木学会、および土木界においても中心的存在を担う廣瀬典昭氏と森昌文氏、さらに分野の境界線を越えて観光分野から楓千里氏、製造分野から青木豊彦氏が登壇しました。
まずはディスカッションに当たり、コーディネーターである磯部雅彦氏がパネリストに向け、自身の立場から思う「土木界・土木学会の目指す社会と今後の活動」について意見を求めました。国土交通省近畿地方整備局長である森氏は、土木とは現代社会が抱える問題に対し感覚ではなく論理的に解説策を説明できる学問だと提言。今後は、市民、企業、NPOを含むさまざまなステイクホルダーとコミュニケーションを図りマネージングする役割を求められていると話しました。

続いて観光産業に携わる一方、3年前から関東地方整備局事業評価監視委員に着任し観光と土木の架け橋の役割を果たす楓氏は、2013年に行った「東大教授と学べる開通前の今だけ! 東京港トンネルウォーキングツアー」などの事例を紹介しました。その上で、参加者から概ね好評を得ている結果を報告し、土木業界への知識を深めると共に、観光資源の発掘にも繋がる市民、土木、観光の「三方よし」のこの事業をさらに充実させたいと語ります。
また一方、約8,000社の中小企業が集まるモノづくりの町、東大阪の中心人物である青木氏は、社員の定年退職に伴い多額の設備投資を要した自身の経験を元に人材の重大さを語りました。そして新たな人材確保のためには何より業界の魅力、職人の誇りを伝えることが一番だと話し、社会へ向けた強い求心力の必要性を力説しました。
これらの話を受け廣瀬氏は、変容を遂げる国際社会に対して日本の土木技術と経験・知見活用による国造りへの貢献が求められると話し、そのためには技術発信の重要性、さらに若手技術者が直接土木の現場で経験を積む場の創出を提案しました。

先の四氏の発言を受けて、コーディネーターの磯部氏から土木界・土木学会の抱える問題、夢についてさらに質問がなされ、ディスカッションはさらに深い審議へと発展しました。
各氏がそれぞれの思いを語る中、森氏は閉塞感漂う日本社会において解決策を見いだそうとしない現状を問題視し、土木分野を含め政策課題の身近にいる技術者が力を集結し解決の糸口を見つけるべきだと言及しました。

その一方、同じ土木関係者である廣瀬氏はもう一度スタートに立ち返り、土木分野が果たす役割の大きさを社会に認識してもらうことから始めなければいけないと指摘します。その意識付けのための活動として、学校行事への出向などこれまで以上に積極的、かつ継続的な取組みも提案。土木学会の組織内にもおいても、他分野の人と積極的に交流を図り個々のモチベーションの維持、向上に努めることを推奨し、いずれも一人ひとりの意識の改革を訴えました。またその一方で、この変動の激しい現代社会だからこそ、若手技術者が柔軟な発想力によって全く新しいことに取組めるチャンスではないかと前向きな考察も示しました。

続いてコーディネーターの磯部氏は「メイド・イン・東大阪」の人工衛星「まいど一号」の打上げ成功を例に、その発起人である青木氏に夢を実現するための秘訣を問いました。
青木氏は開口一番、「使命感」と断言。「このままではものづくり産業が衰退してしまう!」との使命感からモノづくりのまち東大阪の技術力の高さ、職人の誇りを広く世間に発信しようと考え、そのための手段として人工衛星打上げの構想を計画、2009年種子島宇宙センターより見事打ち上げたに成功しました。さらに近年では観光業界との連携により「モノづくりツアー」を開催し、年間1000人もの見学者を東大阪市に誘致しています。こうした事例から求心力の必要性を説く青木氏。他業種とのコラボレーションも一つの良い手段であると話し、今後人工衛星「まいど一号」と土木学会のコラボレーションも考え得ると柔軟な発想を披露しました。

また求心力という点において、楓氏も自らの思いを語りました。JSCE 2015により土木学会会員がインタープリターとしての役割を求められるようになったものの、まだ市民の意識レベルでは土木界との間に隔たりがあるのが現状です。そこで楓氏は専門知識を持つ専門家が相手に理解できる言葉で伝えることを提案。土木学会の会員が市民一人ひとりに合わせた言葉で土木の魅力を語り訴求すれば、互いの距離が縮まり新たな可能性が見いだせるのではと期待を寄せました。

統括プロジェクトメンバー:
リーダー日比野 直彦サブリーダー高野 昇
担当岡市 光司